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地球(テラ)の海の底Blog

地球の底でブルー愛を叫ぶブログ

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「碧の輝き」(4)【キスブルパラレル】


原稿疲れに「逃避」してました。
パラレル少しだけですが、ドウゾ。
また下の「げげげ」絵に反応下さった方、ありがとうございます。
ねずみ男はダレ?(笑)



「碧の輝き」(4)

 


王宮の中が騒がしくなった。
人の出入りが多く、物資を運びだす人でごったがえした。
物資の中身は武器はもちろん、小麦などの食料も多い。
連日、その調達と確認に携わる官吏が立ち働き、忙しそうだった。
修練場からは口々に「打倒ナスカ」の声が聞こえる。
いよいよ「戦争」が近いのだと、ブルーは思った。

ブルーは手持無沙汰でキースの部屋にいた。
キースはできるだけ部屋の外に出るなと言った。
ブルーに反感をもつものから「守る」ためだと言う。
しかし、元より身体が弱く陽の光にも弱い目を持っている自分は外には頻繁に出られない。
どうしても日がな一日、キースの部屋にある文書を読むことで時間をつぶすしかなかった。
アルタミラの歴史の本もあった。

古くからの王国で、海に開けた豊かな土地で、貿易や金の取引で財をなしたとされる。
古代からの慣習と宗教的な理由から近親婚が多く、王族には特殊な身体の者が多い。
そのため、古くから医療や薬の知識が発達し、独特の施術や催眠術、心理療法も発達したとある。
西の海は通路にもなるが天然の防壁にもなり、故に諸国からの攻撃を免れ、
テラ王国とは恒久的な平和条約を結んでいたと記されている。

「これを破ったのだな、キース王太子は。」

ブルーはため息をついた。
このような文献の文字が読めるということは、それなりに教育を受けているのだろうが
自分のことになると、とんとわからなくなるのが癪の種だった。

「失礼します」

文書を棚に戻したとき、飛び色の瞳の青年が入って来た。
キースの側近の一人、マツカだった。

「食事をお持ちしました」

「ずいぶん早いな。夕餉にはまだ明るいが」

「今夜は『出立』の準備があるので、王宮内の者は早めにすませるようにとのことでした」

「ふうん、いよいよ、ナスカ攻略か。」

「いえ、まだ攻撃の日は決まっていません。武器の調達だそうです。」

「君はお供しないのか。」

「僕は・・・今回は行きません・・・・。その・・・」

「セルジュに阻まれた、というところか」

マツカはうなだれた。
華奢な体つきに薄い色素の瞳と髪はアルタミラの民特有の繊細さを感じさせた。
こんな弱そうな青年が、あのこわもてキース王太子によく仕えていられるものだとブルーは感心した。

「その・・・セルジュは・・・・アルタミラの戦争で兄を失っておりますので・・・・・」

「なるほど。だから憎いのだな、アルタミラの生き残りが。
・・・・キース王太子はなぜ君を傍においたんだろうね。」

マツカはぎくりとした。

「君は・・・アルタミラの出身だそうだね。僕は・・・王子はどんな評判だったんだ。」

「それは・・・・・よくわかりません。
僕はアルタミラの土地に行ったことがありません。
父は王族はみな美しい人たちだ、とだけ言ってました。
ブルー王子の事はお身体が弱く、あまり外に出られないというお話しか伺っておりません。」

「そう・・・・おかしいね、自分の事を人にきくなんて。」

ブルーは自嘲した。

「あなたは・・・本当にブルー王子なのですか」

「さあ、皆がそう言うからそうなんだろう。王宮にいた記憶はないがね。
僕は今は『幽霊』だ。
後宮に居た方がましだったかもしれないな。自分の部屋もあったし。」

ブルーはマツカに飲み物をすすめたが、がんとして受け取らなかった。

「律儀だね・・・僕なんかに遠慮しなくていいよ。僕はキース王太子の飼い猫のようなものだ。
気まぐれに飼われて、飽きたら棄てられる。そういうものだ。」

「キース王太子は・・・以前はあんなじゃなかったです。」

ぽつりとつぶやくように言うマツカをブルーは改めてみた。

「もっと・・・やわらかくて・・・ユーモアのある人でした。
でも冷たく変わったのは・・・・あの時からで・・・・」

つらそうにマツカは言った。

「あの時・・・?」

「弟宮が亡くなってからです。」


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まあ、しばらくたらたら続きそうです。
キースとマツカとの関係はどうしよっかな~
ややこしい関係があるとブルーとは「嫉妬」しあう仲になってしまうし・・・

あっ、後宮パラレル(パロ)なら、キースのハレムで今まで一番がマツカで、
ブルーを連れてきて嫉妬して、さらにナスカに行ってジョミーに惚れて連れて帰ってきて
今度はブルーが嫉妬して、ならば自分になびかせようとジョミーを誘惑するブルー・・・
ああ、もう頭が腐ってる(爆)
 

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職業:
一応カタギ
趣味:
妄想・ブルーお絵描き
自己紹介:
元々原作ファンで竹宮ファン。2007年4月のTVアニメ「地球へ」放映をきっかけに結城版ソルジャー・ブルーの美しさと強さにノックアウトされ、原作でも映画でもやらなかった二次創作にハマり、本を出す泥沼に落ちる。JUNE投稿歴のある腐女子。
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