地球の底でブルー愛を叫ぶブログ
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「碧の輝き」(5)
「おとうと・・・・・。」
「キース王太子に弟宮がいたのか。」
ブルーは大きな赤い目をますます大きく見張った。
そんな話はキースからはもちろん、うわさ好きの後宮の女たちからも聞いたことがなかった。
マツカはぽつぽつと話を続けた。
「シロエ王子です。王太子とは母親がちがいます。
母親はアルタミラの貴族の出だったということです。」
「アルタミラの・・・・」
「まだ…アルタミラと友好関係があった時、先王が気に入って秘かに通っていたそうです。
優しい人だったと聞いています。
でも、その母親が亡くなって、身寄りがなくなり、シロエ王子はこの城に来ました。
元々は・・・・初めは明るい少年だったそうです。
よくしゃべり、利発で、キース王太子もかわいがっていました。
一緒に馬で遠乗りに行ったり、学問を教えたりしていたそうです。
でも、だんだん自分の立場がお分かりになるようになると、ふさぎがちになりました。
頭の良い方だったので、勉学はよくできましたが、書物の世界に閉じこもることが多くなり
外であまり遊ばなくなっていきました。
手先が器用だったので細工ごとばかりしていました。
面白い機械なども作っていたようです。
武器も時々作ることもあったみたいで、そのことがイライザ女王の不興を買ったようで、
反逆罪の罪を着せられて、幽閉されてしまったのです。
アルタミラの重臣との密通も疑われていました。
そして逃亡して・・・・砂漠に逃げて・・・・」
「砂漠に・・・」
「・・・・・キース王太子に殺されました。」
ブルーはため息をついた。
「イライザ女王の命令で仕方なかったようです。
イライザ女王は以前からアルタミラの女性のもとに通う先王に困っていらしたようで・・・・
おりからアルタミラ攻略計画の話もあり、アルタミラの血を引くシロエ王子が邪魔になったのでは
ないかと・・・・
実はシロエ王子はいなかったことになっています。
持っていた本も衣服もみんな処分されました。僕が初めに来た時に命じられた仕事がそれでした。」
「僕が知ってるのはこれだけです。実際の事はどうだか知りません。
「そのころからだんだんとキース王太子も気難しい方になっていったようです。
高級宿で遊ぶようになったのもその頃からです。
あまりに遊ぶので病気でももらっては困ると、後宮を整え、身分のしっかりした
女性たちを用意したそうです。
それでもキース王太子は時々外で遊んでいますけど・・・・。」
「そうでないと僕もここにいないね」
ブルーは、皮肉な笑みを浮かべた。
マツカははっとして、姿勢をただした。
「すみません。話が長くなりました。
もう、もどります。どうか、このことは内密に。」
マツカは、一礼して部屋を出ていった。
テーブルにはすっかり冷めた夕餉の皿が乗っていた。
冷めたスープをすすりながら、ブルーはキース王太子の荒れた孤独な心を慮った。
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シロエってキースにとって一種のトラウマだと思うのです。
TVテラの場合特にそんな感じがします。
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