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地球(テラ)の海の底Blog

地球の底でブルー愛を叫ぶブログ

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「赤の宝玉」(4)【キスブルパラレル】

キスブルパラレルの続きです。
「赤の宝玉」(2)(3)は裏ページにあります。
裏にするかどうか迷いましたが、こっちに上げておきます。


「赤の宝玉」(4)

 

遠くの声が徐々に近づいた。

「・・・・れを・・・」

「誰を・・・・・・だ・・・・・」

「―誰を愛してる!」

耳元で怒鳴り声がした。
ブルーは我に返った。
目の前に青い瞳と黒髪の男がいた。

「・・・キー・・・・ス・・・
愛してるのは…キース・・・・・」

反射的に答えた。

「嘘をつけ。誰を愛してるといった」

「・・・・・キース・・王太子・・・?」

「もういい」

舌打ちをして、キースはブルーから離れた。
脱ぎ捨てた夜着を羽織る。

「おまえは誰と比べてる。最初の夜もそうだった。」

意味がわからず、ブルーは戸惑いながら答える。

「だれも・・・・」

「嘘をつくな」

キースは静かに言った。

「寝言で別の男の名を呼んだ。」

キースはブルーを刺し殺す様な視線で見た。

「ジョミーとはなんだ。そいつはどこの誰だ。」

ブルーの表情が変わった。のろのろと起き上がる。
横を向き、考え込んでいるようだった。髪をかき上げる。

「・・・・・わかったら・・・どうする?」

「殺しに行く」

「物騒だな・・・・・」

ブルーは笑った。

「僕の記憶はズタズタになっていて・・・・・誰が恋人か家族かわからなくなっている。
無意識にいう名前が『恋人』だという保証がどこにある。」

「生意気をいうな!男娼のくせに!」

びくりと震え、ブルーの顔から笑みが消えた。

「いい気になるな。ちょっとかわいがるとつけ上がるのは『女』と一緒だ。
その気になればおまえの首などすぐはねられる。
今まで生き延びていられて幸運だと思え。」

立ちあがり、大股で歩き出す。
キースは部屋の出口で振り返った。

「しばらく来ない。よく頭を冷やせ」

その言葉は自分自身に言い聞かせるように聞こえた。
キースはカーテンを乱暴にしめ、後宮を後にした。
回廊でキースはこぶしを握り締めた。

(なぜこんなに心が騒ぐ。あの者は「呆け」ではないのか。
ただの慰みものでしかないのに・・・・・・なぜこんなに胸が痛いのだ。)

キースは自分の心に気付かないでいた。

ブルーはキースに結わえられた革ひもをゆっくりとはずした。
腕の方も痣がついている。

キースは何を「縛りつけて」おきたいのだろう。
今更逃げたりはしないのに。
自分は記憶もあいまいで、彼の慰みものになることでようやく命をつないでいる。
身体も弱く、すぐ熱をだす。
美しいとほめてはもらっても、あまり嬉しくもない。
「男」としても「女」としても役立たずだ。
キースの方がよっぽど何もかも「持って」いる。
城も富も部下も健康なたくましい身体も。
なのに、あのキースという男は王子という身分なのになぜあんなにいらつき、淋しさを漂わせるのだろう。
自分にかまうのも気まぐれというより何か逃げるような気もした。

「ああ、ジョミー・・・・・
とても大事な約束をかわしたような気がする・・・・・・」

ブルーは頭を抱えた。

「だめだ・・・・・
思いだせない・・・・・・・」

ブルーはここに来てから初めて情事の痛み以外で泣いた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちょっとセンチにしてみました。
このあとどっしよっかな~(なんかもういいかげんで・・・すまない・・・・)

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HN:
KAORU
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性別:
女性
職業:
一応カタギ
趣味:
妄想・ブルーお絵描き
自己紹介:
元々原作ファンで竹宮ファン。2007年4月のTVアニメ「地球へ」放映をきっかけに結城版ソルジャー・ブルーの美しさと強さにノックアウトされ、原作でも映画でもやらなかった二次創作にハマり、本を出す泥沼に落ちる。JUNE投稿歴のある腐女子。
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