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地球(テラ)の海の底Blog

地球の底でブルー愛を叫ぶブログ

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「赤の宝玉」(7)【キスブルパラレル】

今日はこれから出かけるので、ここまでにします。帰ったら原稿やんないと(汗)
区切りがわるいなあ、と思いつつ。

また2日ほど前いつもよりたくさんカウント頂きました。
ありがとうございます。
ついでに途中でもいいから感想もほしいかな~、なんて。
あと要望もあれば聞きたいです。わりと曖昧な設定なのでどうとでも転ぶ可能性が(オイ)
ブルーとキースの関係を相思相愛にしようかすれ違いにしようか迷ってます。


「赤の宝玉」(7)

 

その日から2週間がすぎた。
さすがに長引く不在に城中が心配しだした。
思いのほか敵にてこずっているらしい。

やがて、キース王太子が辺境の敵を平定し、戻ったとの知らせが入った。
奇襲を受け、いったん捕虜となり、かろうじて抜け出してきたというキースの強運に
みな「太陽の神ソルが付いていたのだ」と称賛する。
凱旋するキースは見事に「王」の顔だった。
キースの傍らにはマツカが寄り添っていた。
怪我をおして案内役として先頭に立ってキースを導き、生還させたのだった。

キース王太子が戻ったとの噂はたちまち後宮にも広がった。
祝いの宴が用意され、宮中の者はみな浮かれている。
女たちは嬉々として化粧を入念にし、爪を磨いた。
にぎわう後宮の中庭をブルーは下着姿のままで窓から眺めていた。
手入れをしない白い髪が薄桃色の顔に無造作にかかり、かえって壮絶な美貌を引き立てた。
だが、その表情は無表情で、赤い宝石のような瞳にも輝きがなかった。
ブルーに仕える老婦人は次々に華やかな衣装を出してきた。

「今宵、『お渡り』があるやもしれません。さあ、ご準備を。」

「もうそんなドレスは必要ない」

ブルーはドレスをおしのけ、男性用の長衣を身につけた。
地味なグレーの色合いのものを選び、サッシュだけ藤色をしめた。
だがその地味な色調がかえってブルーの銀髪を目立たせることになった。

「そのドレスは・・・もっと似合う人に着てもらおう。」

ブルーは部屋をでた。


キース王太子が後宮に来た時にはもう深夜になっていた。

今回は祝いの宴席が長引き、また女王である、母イライザへの報告もあり
予想以上に周りが離してくれなかった。
また、この功績により、キースの王位譲渡を早めるとの意見も出され、
煩雑な手続きや日程の段取りに手間取ってしまったのだ。
女王イライザによる統治は先王の急死による暫定的なもので、当時は複数の後継者がおり、
キースも少年だった。だが今こうしてキースが成人し、軍の統率力を身につけた
今こそその時期だと誰もが疑わなかった。
もちろん、女王も承諾済みのことだった。
また、そうなると「正室」が必要だとの意見も重臣から出て、またあれこれと
各諸侯の娘たちを品定めし、キースに選ばせようとするのであった。
だが当のキースにとってはありがた迷惑な話であった。
キースはその件については後日にしたい、と宴席を切り上げた。
そのまま寝室で休んでしまおうと思ったが、なかなか休めなかった。
辺境で散々な目に遭って、身体はくたびれていたが、妙に目が冴えて寝つけず、
酒を飲んでもかえって目が覚める始末で、自然と後宮に足が向かった。
キースは少し迷ったが、やはり一番奥の「彼の部屋」に向かった。

キースはブルーの部屋のカーテンを開けた。

「その者」は、天蓋付のベッドに黒いベールをかぶり、座っていた。
清楚な薄緑のドレスのすそがベッドの下にまで垂れていた。

「久しぶりだな。一人寝は淋しかったか」

キースは赤いルビーを期待してベールをとった。
だが、そこには緑のペリドットが現れた。

「え・・・・」

「お久しぶりです。王太子様
もう、私のことをお忘れになって・・・・?」

リリーは浅黒い肌に光る粉をまぶし、まるで夜の蝶のようだった。

「ブルーはどうした・・・」

「体調がすぐれないとかで、休んでいます。
だから今夜は私とお過ごしになって。
かの者を休ませてやってください。」

言いながらリリーは慣れた手つきでキースの上着を脱がせた。
厚い胸板に手を這わせ、ゆっくりと愛撫する。

「ブルーは・・・自分の分まで王太子様に失礼のないようにおもてなしを・・・とのことでした。
どうか、今宵のことはお咎めなしにお願いします。」

「・・・・・なるほど・・・・・・おまえは優しいのだな」

リリーはすでに衣服をおとし、豊満な胸をキースの身体に押し付けていた。
キースの身体が自然に反応する。

「たまには…悪くないな」

キースはリリーを抱きしめ、くちづけた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ペリドットは緑の宝石の一つです。
エメラルドはジョミーにとっておきたいので(^^)

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女性
職業:
一応カタギ
趣味:
妄想・ブルーお絵描き
自己紹介:
元々原作ファンで竹宮ファン。2007年4月のTVアニメ「地球へ」放映をきっかけに結城版ソルジャー・ブルーの美しさと強さにノックアウトされ、原作でも映画でもやらなかった二次創作にハマり、本を出す泥沼に落ちる。JUNE投稿歴のある腐女子。
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