地球の底でブルー愛を叫ぶブログ
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漆黒の馬(2)
その牢獄は、華やかな後宮のすぐ近くにあった。
出入り口は巧妙に隠され、奥まった隠し戸の裏にあり、
女王の側近を含めわずかな兵士しかその正確な位置は知らない。
ブルーは目隠しをされ、ぐるぐると城内を歩かされた後に、牢の入り口に引かれてきた。
急に湿っぽい饐えた臭いがしてきた。
思わず鼻を利かせると「立ち止まるな」と叱責の声が飛んだ。
こずかれ、階段を下りていく。
段差の高さに思わず踏み外しそうになった。
かろうじて転げ落ちるのを踏みとどまりながら一段一段降りていく。
20段ぐらいさがったろうか。
重い扉の開く音がする。
「入れ」
後ろから声がする。
また両脇から引きずられ歩かされる。
両側からむっとする汗のにおいと雑巾のような臭いがした。
同時にひそひそと声がする。ここにいる「囚人」だろうか。
「新入りか」
「女か」
「いや、あいつは宮廷服をきているぞ」
「銀髪の文官なんかいたか」
「あの白い肌、むしゃぶりつきてえ」
「何をしたんだ」
「会計でもちょろまかしたのか」
「それとも元老の女でも寝取ったか」
「いや、誰かを身体で誘ったのかも知れんぞ」
無遠慮なあざけりと囁きがそこここに渦巻く。
がちゃがちゃと金属のぶれる音がする。
おおかた鉄格子でもゆすっているのだろう。
「うるさい!黙れ、囚人ども!」
叱責と鞭の音が響き、野次る声がぴたりとやんだ。
足元が緩やかな坂になり、また扉の開く音がした。
戒めをとかれた。
ほっとするのもつかの間、目隠しをしたまま、突き飛ばされた。
固い石の床になんとか手をつき、頭を打つのだけは免れた。
目隠しを急いではずす。
「お前は独房入りだ。他の囚人に『感染』すると困るからな」
目に入ったのは、連れてきた男の酷薄な表情だった。
「何を感染させるというのだ。うつる病気なぞもっていない。」
「淫乱という名前の病気だ」
「なんだと・・・」
「それともあの囚人たちの中に放り込んでかわいがってもらいたいか」
ブルーは男を睨みつけた。
男はブルーに近寄り、顎をとる。
「反抗する元気は残っているようだな。
いい、どうせ長くない命だ。牢に入る本当の理由を教えてやる。
人質とは表向きだ。
イライザ女王がお前を王太子より弾き離せとの仰せなのだ。
お前は危険だ。その顔と身体で夜な夜な王太子様をたぶらかしている。
後宮にとどまらず、政務の部屋までにのし上がってきた。
アルタミラのスパイかもしれぬ。
今度ナスカを総攻撃する。反乱軍に作戦が漏れるのは防がねばならん、とな。」
「僕は作戦のことなど聞いていない。」
「スパイは皆知らないというのだ。
…これでも女王様のお情けなのだぞ。
かの者を隔離し、他のものの慰みになるのを避けよ、と。
それだけでない。他の囚人と会わせないのは共謀させるのを防ぐためだ。」
「キース・・・王太子は知っているのか、このことを」
「さあ、どうだか知らん。女王様の命令は絶対だからな…
知ってるから、ゆうべたっぷりとかわいがってもらったのではないか?」
男はブルーのすそに手を入れた。
思わずブルーは払いのける。
「生意気な男娼め!」
平手が飛んだ。
ブルーはまた床に転がった。
「馬鹿な奴だ。媚を売っておけば、もうちっと待遇が良くなるかもしれないのに。
今更『操』を守っても得にはならんぞ」
男はブルーを踏みつけた。
性器の上に靴を置く。
「痛い・・・!」
「どうせ役立たずだろう?こんなものはいらんだろう?」
「痛い!やめろ!」
男は足をどけた。
「お前は、ナスカを焼き尽くした後の祝いの席で処刑だ。
それまでせいぜい、王太子様の思い出にでも浸ってるんだな」
うすら笑いを浮かべながら男は扉の向うに消えた。
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次は裏に行くべきかそうでないか迷ってる・・・
これ以上ブルーひどい目にあわせたくないので・・・・
でも監禁・・・はお約束?ですよね。
そのどん底に落ちた分、這い上がりも大きいですから・・・ハイ(苦笑)
キース早く出したいな~
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