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地球(テラ)の海の底Blog

地球の底でブルー愛を叫ぶブログ

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碧の輝き(8)【キスブルパラレル】

とうとう4月中は色々あって更新できませんでした。
震災のせいにばかりできないけど、色々重なってエネルギーが切れてしまったようです。

とにかくパラレルをなんとかつなぎたいので出来てるとことまであげます。
切りが悪いですが、これで「碧の輝き」の部分は終わりになります。
折りたたんだ後になります。

碧の輝き(8)


白いカーテンが幾重にも重なっている。
その一つ一つをかき分けていくと奥に天蓋付きのベッドがみえた。

横たわっているのは白い髪の青年。

「王子様。儀式が始まります。お支度を」

聞きなれた声だった。

瞳が開く。
赤い、尋常のヒトでない、色の瞳。

大柄な金髪の壮年の男性が傅き、衣装を掲げる。

差し出された服は真っ白な薄い絹のローブ。
羽織るようにふわりとかぶる。
素足で長い長い廊下を歩き、広間にでる。

歩く間に、一人、また一人と付き添いが増える。
茶色の髪の青年、頭の禿げあがった老人、長い髪の中年の女性、黒い肌の女性。
そして口髭を蓄えた壮年の男性。

それぞれが一言も発せず、ゆっくりと歩く白髪の青年の後に連なってすすむ。
薄暗い廊下がとぎれ、光がさす広間にでる。
赤く敷き詰められた絨毯の先に大きな祭壇が見える。
両脇に花をかざり、中央に石の台があり、目隠しをした羊が両手足をしばられている。
泣き声を発せぬように轡がはめられている。

絨毯の両脇には葬儀の時の衣装を着た貴族たちが並んでいた
みな頭(こうべ)を垂れ、沈んだ表情だ。

王子は祭壇前の階段をのぼり、用意された台座に横たわった。
腕を胸に組み、目を閉じる。

顔を隠した騎士が近づいてくる。
黒に銀の甲冑を着こみ、大ぶりの長剣を持っている。
祭壇の上にすすみ、祭壇の向こう側に立つ。
騎士は、青年の胸元に剣を置き、口上を述べる。

「命は限りに、魂は永久(とわ)に。アルタミラに栄光あれ」

その声が聞き覚えのある若い青年の声であるのに気付き
台座の青年は目を開き思わず身じろいだ。

剣が振りおろされる。
瞬間目を閉じる。
ざあっと血が流れた。

広間に集まった大勢の貴族が一斉にひれ伏し、頭をたれる。

目の隙間から台座の下にひくつく羊の身体が見える。
首がない。

騎士は首を落とした羊の足をつかみ、青年の服に血をかけた。
血しぶきは青年の白皙の顔面にも染みをつくる。
その血よりも赤い瞳がゆっくりと開く。
そして血に染まった衣装のまま青年が起き上がる。

広間に集まった大勢の貴族が一斉にひれ伏し、頭をたれる。
騎士は剣を置き、祭壇から降りた。

剣を持った騎士の正体を確かめようと呼び止めようとしたとき、
汚れた白い衣を引く手があった。

「王子様、これに」

先ほど寝室に呼びに来た男性が青い服を差し出す。
とまどっていると、金髪の壮年の男性が青年の着る白い衣をさっと引きぬく。
一瞬素裸になった青年に素早く頭から青い衣にかぶせる。
ためらう間もなく茶色の髪の青年が青年の手をとり、階段を誘導する。

「王子様、ゆっくり歩みなさいませ」

階段を降り、促されるままに歩みを進める。
絨毯に降り立ったとき両脇の貴族が次々と立ち上がり、白い花を投げる。

「ばんざいブルー王子様!」
「おめでとう、新しい命に!」
「王子様、お生まれになられておめでとう!」

口々に祝いの言葉を浴びせる。

今年で自分はいくつだろうか。
そんなことを思いながら一歩一歩あるく。
何回もこの儀式を繰り返したような気がする。

赤いじゅうたんが白い花に染まる。
そのとぎれる先に、先ほどの黒い服の騎士が待っていた。
片手に黄金の高杯を持っている。

ゆっくりと被り物を取る。
まぶしい金髪が現れた。
碧の瞳が涙でぬれて輝いている。

ブルーは歩みをとめた。

「おめでとう、ブルー王子様。
あなたに永遠(とわ)の命がさずかりますように」

「ジョミー」

「儀式が終わるまでお話してはいけません」

青年は持っていた高杯の水をブルーに頭からかけた。

「これであなたは生まれ変わりました。これは清めの水です。」

「ジョミー、君が媒酌人だったんだね」

血しぶきの残る顔から清らかな水を滴らせ、ブルーはつぶやいた。

「シンと呼んで下さい。僕はもう成人です。」

シンは手を伸ばした。
その手をとりかけたとき、横から一人の男が遮った。

「貴様に永遠(とわ)の命などない」

黒髪に黒い衣装の男が剣を振り上げた。
青い冷たい瞳を見たとき、鈍い痛みが身体に走った。



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続きはすぐにあげますね。
このイメージはこの話を思いついたとき、初期にありました。

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一応カタギ
趣味:
妄想・ブルーお絵描き
自己紹介:
元々原作ファンで竹宮ファン。2007年4月のTVアニメ「地球へ」放映をきっかけに結城版ソルジャー・ブルーの美しさと強さにノックアウトされ、原作でも映画でもやらなかった二次創作にハマり、本を出す泥沼に落ちる。JUNE投稿歴のある腐女子。
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